2008年3月、南京(その2)

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2008年3月25日の午前、上海から2時間20分(遅れ約10分)の旅を終え、南京駅に降り立った。列車を降りるときに、中国のあちこちの駅で繰り広げられている大量の旅客が出入り口で押し合いへし合いをする事態を予想していたが、南京の駅ではドアの前に列ができており、降りる乗客を待っていた。

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CRH-2「和諧」号乗車を待つ乗客の列


中国の鉄道駅では珍しい光景に、どのように整列乗車が行われているのかが気になった。幸い、南京駅には私が降りた列車の後にも、何本か「和諧」号列車が続行しているようだった。

日本の新幹線駅では、ドアの乗車位置を示す電光掲示板が設置されているが、南京駅にはそれがなかった。その代わり、各車両の乗車位置に係員が立ち、案内・誘導を行っていた。

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各車両ごとに係員が案内・誘導している

とはいえ、最長運転時間が10時間以内の「和諧」号の乗客は、ビジネスマンや中距離利用の乗客が多いようで、荷物も少ない。全席指定で途中駅から乗車しても座席が確保されている(一般の列車の場合、「無座」という立ち席乗車券の場合が多い)ためか、「早く乗り込まなければ!」という切迫感がない。

もともと江南地方を運行する中国版インターシティーとも呼べる中距離旅客列車は、列車間隔も短く、当日でもきっぷを買える乗り物だったことも関係しているだろう。

乗降の様子は、以下の動画を見ればわかるが、それなりに秩序だっており、停車時間が2分でも大丈夫なようだ。

中国の列車といえば、列車に乗り込むのが一苦労だった時代が長く続いたが、「和諧」号はその名の通り、乗り込むときから「和諧」の雰囲気にあふれている。

ただ、この列車の運賃が一般列車の二倍以上する(上海〜南京間、二等席でも93元。一般急行の硬座(普通車)は空調付きで41元、空調なしで24元)。ある程度以上の収入がある中流層が利用する列車であると考えると、「和諧」号という名前自体が空虚なものなのかもしれない。しかし、このような列車を一般的に利用できる中流層が中国に生まれていることは、中国の改革開放政策の成果だろう。

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